ロイターの記事によれば、英国の調査会社Enders Analysisは、今年英国のオンライン広告はTV広告を追い抜いて、広告費全体のトップとして、19%を占めるという予測を打ち出しました。2008年の英国のオンライン広告費は、26.4%増の35億6000万ポンド(70億ドル)で、TV広告費は2.5%減の33億9000万ポンド(66億6600万ドル)です。このオンライン広告躍進の立役者は、検索広告で、恩恵を最も受けているのはGoogle(グーグル)です。グーグルは、英国の検索広告の80%を占めるというから驚きです。世界で最もオンライン広告が発達した英国ならではの事情とも言えますが、必ずしもこれは英国単独の傾向とは言えず、21世紀のメディア・広告世界の今後を示唆する重要な分岐点です。
かつての4マス媒体にインターネットを加えて、各メディアの意思決定への調査では、以下のように、英国ではインターネットが42%、TVが23%と2倍近いポイントの影響力を持っています。
- インターネット:42%
- TV:23%
- ラジオ:14%
- 新聞:12%
- 雑誌:9%
英国に限らず、一般消費者のメディア消費行動は、広告主や広告代理店が追いつかないくらい、先を行っています。私もかつて広告代理店に在籍していたので、確かに高額なメディアから入る15%のコミッションと、使用説明の手間が省けるマス媒体の利用は、「楽な道」です(代理店に限らず、広告主の担当者にとってもトラディショナルな媒体選択は上司に説明しやすい)。また「日本は特殊ですから」というガラパゴス的な肯定理由を盾に、既存のメディアに頼っていると、1人、道に取り残されしまいます。「Risk Taking」をしないことは、最も「Risky」なことです(端的な例は、現在の米国のエネルギー事情です。長期的な施策をもたずに、エネルギーの無駄遣いと対処療法だけで、ここまで来てしまい、輸入石油に依存する極端な「油付け体質」をつくってしまいました)。
私は、米国に移住してきたばかりの時に、ショッピングモールで、母親が7つぐらいの女の子に、「失敗することを恐れてリスクをとらない、その態度が良くない。リスクをとらない限りは成功はありえない。」とお説教をしているのを目撃したことがあります。私は、「なるほど、これがこの国のカルチャーだ、これは面白い国に来たものだ。」と実感したことを思い出します。以下は、米国のCMO (Chief Marketing Officer:マーケティング最高責任者)と CEO (Chief Executive Officer:最高経営責任者)の平均在籍期間です。
CMO:26ヶ月 vs. CEO:44ヶ月
マーケティングの責任者の首がどんどん挿げ替えられるアメリカでは、CMOが前任者と同じことをやっていると、ボードメンバーから「前任者と同じことをやるんだったら、あなたを雇う必要がない」と非難されます。リスクをとらないCMOは、いらない、これが米国です。寅さんではありませんが、米国の「CMOはつらいよ」と思います。

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