今朝、午前5時34分に入ってきたNY Timesのeメールアラートを見て、思わず「ウッ」と絶句してしまいました。もちろん、12月の失業率はかなり上がると予測していましたが、実際に12月単月で52万4000の職が失われて、失業率が7.2%まで跳ね上がるのを目にすると、やはり息が止まります(4月は5%、11月は6.8%でした)。これは1990~1991年の景気後退時の1993年1月以来の高率です。2008年はトータルで260万の職が失われて(1945年以来の最大の数)、現在は1100万人以上の米国人が失業していることになります。
昨日は、議会で、Obama(オバマ)次期大統領が365の得票を獲得して(マケインは173)、正式に44代米国大統領として認証されました。オバマ次期大統領は、発表が待たれていた経済刺激策「American Recovery and Reinvestment(米国の回復と再投資)」を、17分間のスピーチで、議会および国民に語りかけました。
「Dramatic action(劇的な動き)」と称されたスピーチは、以下のようなポイントが挙げられます。
- 大恐慌以来の経済危機といわれている米国の経済を急遽刺激して、300万の職の創出を図る。
- 今、政府が行動を起さない限り、この景気後退は長期化して泥沼化する。議会に対して、党派を超えて、このプランの議会通過に協力するよう促した(警告している)。注:当初は1月20日の就任式直後に、案が議会を通過することを期待していたが、民主党も含めてオバマ案に懐疑的な議員との折衝で、2月中旬にずれ込む可能性がある。
- プランは、およそ8000億ドル(80兆円)ぐらいだといわれている。米国の長期的成長を促すために、フォーカスする領域は、「クリーンエネルギー、教育、ヘルスケア、新たなインフラ」という分野で、公共の交通機関やハイウエイや橋のようなインフラ建設、健康保険の政府援助の拡大、失業手当てなどに使われる。
- さらに、選挙期間中に公約していた95%のワーキングクラスの1人あたり500ドル(5万円)の税金の払い戻しのための1500億ドル(15兆円)、新たに社員の雇用を図る、あるいは工場や設備への投資を行なう企業への税金の払い戻しの1000億ドル(10兆円)が含まれている。
- 「情報の透明性と説明責任」:このプランにおけるすべての支出は、使途が明解になるように、米国民は税金がどのように使用されているかをオンラインで見ることが出来るようにする。
オバマ次期大統領は、「自分のとって、どんな良いことがあるのか?」という質問ではなく、「未来の子供たちが継承する米国にとって、どんな良いことがあるのか?」という質問を、最初に自らに質して、議員も米国民もこの経済危機に立ち向かう姿勢が必要だと主張しています。
ただし、経済の専門家も含めて、税金の払い戻しが全体の半額を占める、このプランでは経済状況は容易に動かないという否定的な見方があります。オバマ政権が、スピーチのタイトルのように「劇的な動き」ができない理由は、2009年の会計年度の政府予算がすでに1兆ドル(100兆円)の赤字財政となっていることが大きな要因です。この1兆ドル(100兆円)の赤字に、さらに1兆ドル(100兆円)規模の経済刺激策に支出することへのためらいが大きく、中途半端な提案になっています。
問題は、誰もどのようにして、この「バッテリーがきれたクルマ」のような米国の経済状況を、正しく「ジャンプスタート」させる答えを持っていないという点です。オバマ案に懐疑的な経済専門家でも、危機を乗り切る「回答」を見出せず、批判すれども結論が出ない中途半端な論議に終わっています。
Reagan(レーガン)大統領は、大統領就任式で「In this present crisis, government is not the solution to our problem; government is the problem(現在のこの危機において、政府が問題を解決するのではなく、政府そのものが問題である」と発言して、このレーガンのフレーズがそのまま昨日まで信じられてきました。ただし、この言葉は、昨日のオバマ次期大統領のスピーチで幕を閉じました。オバマ次期大統領は、「It is true that we cannot depend on government alone to create jobs or long-term growth, but at this particular moment, only government can provide the short-term boost necessary to lift us from a recession this deep and severe(確かに雇用創出や長期的な成長を、政府だけに依存することは出来ない、ただし今回の場合、景気後退の長期化と深刻化を防ぐために、短期的な活性化を図ることができるのは、政府だけである).」と発言しています。
Nike(ナイキ)の「Just do it!」やサントリー創業者の鳥井信治郎の「やってみなはれ」ではありませんが、こうした状況下では、「サイ」を投げるオバマ次期大統領を信じて、やるしかないと思います。何せ、彼を選んだのは、米国民(納税者)なんですから。

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追伸
「やってみなはれ」 はサントリー創業者の鳥井信治郎氏
松下幸之助氏は 言葉が多く残ってますが 今なら
さしずめ 「こけたら立ちなはれ」 でしょうか
投稿情報: ケイ | 2009年1 月 9日 (金) 20:48
ケイさん、コメントありがとうございます。そうですね、この言葉は鳥井さんでした。至急、訂正します、ありがとうございます。ひさみ
投稿情報: HisamiOh! | 2009年1 月10日 (土) 16:57